叙法(直説法・命令法・接続法・条件法)
2026-09-23
動詞は、話し手が事実をどう扱うかによって形のグループを変えます。このグループを叙法と呼びます。直説法は事実をそのまま述べる叙法、命令法は相手に指図する叙法です。このサイトが扱うのはこの2つで、接続法と条件法は扱いません。4つの叙法のうち、まず直説法と命令法から覚えれば、日常の文の多くを作れます。
叙法は、いつのことかを表す時制(現在形・近過去・半過去など)とは別の、動詞の形の分け方です。「規則動詞の現在形(-are)」の現在形も、「近過去(avere+過去分詞)」の近過去も、「半過去の作り方」の半過去も、どれも直説法という同じ叙法の中にある、時制だけがちがう形です。叙法がどれかを決めてから、その中でどの時制かを決める、という2段階の分け方になっています。
直説法
直説法は、事実をそのまま述べる叙法です。「規則動詞の現在形(-are)」から「複文の入口」までの記事で扱ったparlo・parlavo・ho parlatoなどの形は、すべて直説法に入ります。日常の文の多くは直説法で作ります。Parlo italiano.(私はイタリア語を話します)、Ho parlato con Marco.(マルコと話しました)は、どちらも直説法の文です。essereやavereの現在形も、この直説法に入ります。
命令法
命令法は、相手に指図・依頼をする叙法です。「命令法tu・voi(肯定・否定)」の記事で扱ったParla!(話して)のような形が命令法です。否定の指図(Non parlare!、話さないで)にも、命令法という同じ叙法の中の形を使います。友人1人に対するtuの形と、複数の相手に対するvoiの形とで、命令法の中でもさらに形が分かれます。
接続法と条件法は範囲外
接続法は、話し手が事実だと決めつけずに、望み・疑い・感情を述べるときに使う叙法です。「cheの関係節と目的語節」の記事で名前だけ挙げたpenso che…(〜と思う)・credo che…(〜と思う)は、cheのあとに接続法を置く言い方です。その記事ではSo che…(〜と知っている)・Dice che…(〜と言う)のように、直説法を置く言い方だけを扱いました。話し手が「知っている」「言う」と事実として述べるときは直説法、「思う」のように断定を避けるときは接続法という違いです。
条件法は、条件が満たされたときのことを述べる叙法です。「条件文se+直説法」の記事で扱ったのはse+直説法の組み合わせだけで、seのあとに接続法、文の後半に条件法を置く言い方(Se piovesse, resterei a casa.、雨が降ったら家にいるのに)はここには出てきません。
接続法も条件法も、CEFRのB1(中級)で扱う内容なので、このサイトでは活用のしかたまでは扱いません。
ただし、vorrei(〜したいのですが)は例外です。「補助動詞とvorrei」の記事で見たとおり、vorreiはvolereの条件法の一形ですが、条件法の活用の理屈には触れず、丁寧な言い方の決まった1つの表現として使っています。
直説法・命令法・接続法・条件法の4つのうち、このサイトが扱うのは直説法と命令法の2つだけです。接続法・条件法は、名前と役目だけ知っておけば、この先の教材で出てきたときに何を指す語か迷わずにすみます。
練習問題
- Parlo italiano.のparloはどの叙法の形ですか。
- Parla italiano!のように相手に指図する形はどの叙法ですか。
- vorreiは、活用の理屈をこのサイトで扱わないどの叙法の形ですか。
- penso che…(〜と思う)のあとに置く叙法は、直説法と接続法のどちらですか。
答え
- 直説法、
- 命令法、
- 条件法、
- 接続法
参考にした資料
- イタリア語版Wikipedia, Modo (linguistica)「Il modo è una delle principali categorie grammaticali che compongono il sistema di flessione verbale」、直説法・命令法・接続法・条件法の4つを叙法として挙げる(2026-09-23閲覧)