補助動詞potere・dovere・volereとvorrei
入門 2026-09-21
- CEFR A1
- CILS A1
- 伊検5級
potere(できる)・dovere(しなければならない)・volere(したい)は、動詞の不定詞をすぐあとに続けて使う3つの動詞です。essereやavereと同じく主語ごとにつづりが変わりますが、変わり方は規則動詞の語尾とは違います。入門(CEFRのA1)の範囲では、3つの動詞の現在形と、そのあとに動詞の不定詞を置く作り方、そして丁寧な言い方vorreiを押さえれば足ります。
どんなときに使うか
potereは「〜できる」、dovereは「〜しなければならない」、volereは「〜したい」を表し、どれもすぐあとに動詞の不定詞(辞書の見出しの形)を置いて使います。許可を求めたり、義務や希望を言ったりする場面で、日常会話によく出てきます。vorreiはvolereの丁寧な言い方で、店やレストランで注文するときなど、直接「したい」と言うと少し直接的に聞こえる場面で使います。
- Posso parlare italiano?(イタリア語を話してもいいですか)
- Devo studiare stasera.(今夜は勉強しなければなりません)
- Voglio mangiare una pizza.(私はピザを食べたいです)
作り方
potere・dovere・volereは6つの人称ごとにつづりを変える不規則動詞です。色の付いた部分がその人称の現在形です。まずpotereとdovereです。
| 元の形 | 現在形 | 日本語 |
|---|---|---|
| potere(〜できる)→ io | posso | (私は)〜できます |
| potere → tu | puoi | (あなたは)〜できます |
| potere → lui/lei | può | (彼・彼女は)〜できます |
| potere → noi | possiamo | (私たちは)〜できます |
| potere → voi | potete | (あなたたちは)〜できます |
| potere → loro | possono | (彼らは)〜できます |
| dovere(〜しなければならない)→ io | devo | (私は)〜しなければなりません |
| dovere → tu | devi | (あなたは)〜しなければなりません |
| dovere → lui/lei | deve | (彼・彼女は)〜しなければなりません |
| dovere → noi | dobbiamo | (私たちは)〜しなければなりません |
| dovere → voi | dovete | (あなたたちは)〜しなければなりません |
| dovere → loro | devono | (彼らは)〜しなければなりません |
続けてvolereです。
| 元の形 | 現在形 | 日本語 |
|---|---|---|
| volere(〜したい)→ io | voglio | (私は)〜したいです |
| volere → tu | vuoi | (あなたは)〜したいです |
| volere → lui/lei | vuole | (彼・彼女は)〜したいです |
| volere → noi | vogliamo | (私たちは)〜したいです |
| volere → voi | volete | (あなたたちは)〜したいです |
| volere → loro | vogliono | (彼らは)〜したいです |
potere・dovere・volereはどれも不規則動詞で、語尾だけでなく語幹も人称によって変わります。tuとlui/leiでは、potereのpuoi・può、volereのvuoi・vuoleのように語幹の母音が二重母音に変わります。noiのpossiamo・dobbiamo・vogliamoは、語幹の子音を重ねたり足したりして作ります。voiの形(potete・dovete・volete)だけは、規則動詞に近い語尾のまま変わりません。どの動詞も、あとに続ける動詞は主語に関係なく不定詞(辞書の見出しの形)のままにします。
続けて、丁寧な言い方vorreiです。
| 元の形 | 丁寧な言い方 | 日本語 |
|---|---|---|
| volere(〜したい、ioの形はvoglio) | vorrei | (私は)〜したいのですが |
vorreiはvolereのvoglioより控えめに聞こえる言い方で、店で注文するときや誰かに頼みごとをするときに使います。この記事では作り方の理屈には触れず、決まった1つの言い方として覚えます。
日本語とのちがい
potere・dovere・volereも語尾で主語が誰かわかるので、essereやavereと同じく主語人称代名詞を省くのが普通です。これは日本語が文脈で主語を省くのに近い感覚です。
一方、「〜できる」「〜しなければならない」「〜したい」を言うためにpotere・dovere・volereという別の動詞を主語に合わせて活用させ、そのあとに動詞をそのまま(不定詞で)続ける作り方は、日本語にない現象です。日本語では「話せる」「勉強しなければならない」「食べたい」のように、もとの動詞そのものの形を変えて意味を足しますが、イタリア語のparlareやstudiareは不定詞のまま変わらず、変化するのはpotere・dovere・volereのほうだけです。
もう1つの違いは、potereが「〜できる(能力)」と「〜してもいい(許可)」の両方を1つの動詞でまかなう点です。日本語では「話せます」と「話してもいいですか」を別の形で言い分けますが、イタリア語のpossoはどちらの場面でも同じつづりのまま使います。
例文
各文の下に、どの動詞のどの人称か、なぜその形になるかを書きます。
- Posso parlare italiano?(イタリア語を話してもいいですか)
- Posso → potere・io(省略される主語は私)。「〜してもいいか」と許可を求めるときにも使う。
- parlare → 不定詞のまま。potereのあとの動詞は主語に関係なく辞書の見出しの形。
- Tu devi studiare stasera.(あなたは今夜勉強しなければなりません)
- devi → dovere・tu。語尾のiが主語を示す。
- Noi vogliamo mangiare una pizza.(私たちはピザを1枚食べたいです)
- vogliamo → volere・noi。io(voglio)・noi(vogliamo)・loro(vogliono)の語幹にgliが入る。
- una pizza → 不定冠詞+女性名詞。初めて話に出す1枚なので不定冠詞。
- Non posso uscire stasera.(今夜は出かけられません)
- Non posso → 否定語nonをpossoの直前に置く。potereの否定文も、ほかの動詞と同じ位置にnonを置く。
- Vorrei un caffè.(コーヒーを1杯お願いします)
- Vorrei → volereの丁寧な言い方。voglioより控えめに聞こえるので、注文や依頼で使う。
- Gli studenti devono finire gli esercizi.(学生たちは練習問題を終えなければなりません)
- devono → dovere・loro。
- finire → 不定詞のまま。iscを挟む動詞finireも、dovereのあとでは辞書の見出しの形のまま変わらない。
練習問題
正しいものを選んでください。
- Io( posso / puoi / può )parlare italiano?
- Noi( dobbiamo / devo / devi )studiare oggi.
- Loro( vuole / vogliono / vuoi )mangiare una pizza.
答え
- posso(主語がio)
- dobbiamo(主語がnoi)
- vogliono(主語がloro)
参考にした資料
- 級の所属: CILS A1 Sillabo delle strutture morfosintattiche(シエナ外国人大学が実施するイタリア語検定CILSの、A1で出る文法の一覧)「coniugazione attiva di essere e avere, dei verbi modali potere, dovere e volere … indicativo presente」「riconoscimento della forma di cortesia vorrei」(2026-09-21閲覧)
- Wikizionario(イタリア語版ウィクショナリー), Coniugazione di potere・dovere・volere(CC BY-SA)表の全人称を照合(2026-09-21閲覧)
- 実用イタリア語検定 5級レベル筆記 正解への対策ポイント「5級」(このページはpotere・dovere・volereを個別には挙げていません)(2026-09-21閲覧)