否定語 (nada・ninguém・nunca)
2026年10月9日
- 初級
- CEFR A2
「何も〜ない」「誰も〜ない」「一度も〜ない」のように、否定の意味を持つ語を否定語と言います。ポルトガル語の否定語は、動詞のあとに置くと、動詞の前にnãoが必要です。動詞の前に置くと、nãoは付けません。この記事を読むと、nada・ninguém・nenhum・nunca・nem A nem Bの意味と、nãoを付ける場面が分かります。
使う 場面
「何も買わなかった」「誰も来なかった」「本を1冊も持っていない」と、ないことをはっきり言うときに使います。疑問文と否定文の作り方で習ったnãoだけでは、「買わなかった」までしか言えません。「何も」「誰も」をはっきり言うのが、否定語です。
- Não bebi nada.(私は何も飲みませんでした)
- Ninguém chegou.(誰も着きませんでした)
- Não vejo nenhum livro de espanhol aqui.(私はここにスペイン語の本が1冊も見えません)
作り方
否定語は、肯定の意味を持つ語と対になっています。
| 日本語 | 否定語 | 肯定の対応語 |
|---|---|---|
| 何も〜ない | nada | algo(何か) |
| 誰も〜ない | ninguém | alguém(誰か) |
| 1つの〜もない | nenhum・nenhuma | algum・alguma(不定形容詞) |
| 一度も〜ない・決して〜ない | nunca | sempre(いつも) |
| AもBもない | nem A nem B |
nenhumは、あとに続く名詞の性に合わせて、男性にはnenhum、女性にはnenhumaを使います。
否定語を置く位置で、nãoが要るかどうかが決まります。主語になるninguém・nada・nenhumと、副詞のnuncaでは、動詞の前に置いても文として成り立ちます。
| 否定語の位置 | nãoの有無 | 例 |
|---|---|---|
| 動詞のあと | nãoが必要 | Não comi nada. |
| 動詞の前(主語になる) | nãoは付けない | Ninguém comeu. |
nuncaは、完全過去と使うと「一度も〜したことがない」、現在形と使うと「決して〜しない」の意味になります。nuncaを動詞の前に置くときは、nãoを付けません。Eu nunca estudei em Portugal.のように言います。動詞のあとに置く言い方もありますが、この記事では動詞の前の形だけを扱います。
nem A nem Bは、「AもBもない」の意味です。動詞のあとに続けるときは、動詞の前にnãoを置きます。Não falo inglês nem francês.のように、2つ目の前にnemを置くのが基本の形です。強調するときは、Não falo nem inglês nem francês.のように、AとBの前にそれぞれnemを置きます。教科書も、nemを2回使うのは強調のためだと書いています。
日本語との 違い
日本語でも、「何も買わなかった」「誰も来なかった」のように、「何も」「誰も」は文末の否定の形と一緒に使います。「何も買った」「誰も来た」とは言えません。ポルトガル語も同じで、否定語は否定の文の中で使います。
違うのは、否定を示す場所です。日本語は、否定語が文のどこにあっても、否定は文末の「ない」「ません」で言います。ポルトガル語は、否定語が動詞のあとにあれば、動詞の前にもnãoを置いて否定します。つまり、Não bebi nada.は、nãoとnadaで否定が2回出ます。2回出ても、否定が打ち消し合って肯定になることはありません。「何も飲まなかった」と同じ意味です。
否定語が主語で、動詞の前にあるときは、nãoを置きません。誤った形Ninguém não chegou.は標準的な形ではありません。Ninguém chegou.と言います。
例文
- Eu não comi nada hoje.(私は今日、何も食べませんでした)
- nada → 動詞comiのあとにあるので、動詞の前にnãoが要る。
- Não encontrei ninguém na escola.(私は学校で誰にも会いませんでした)
- ninguém → 動詞のあとにあるので、nãoが要る。
- Ninguém falou comigo ontem.(昨日、誰も私に話しかけませんでした)
- Ninguém → 主語で動詞の前にあるので、nãoは付けない。
- Não vejo nenhum livro de espanhol aqui.(私はここにスペイン語の本が1冊も見えません)
- nenhum → livroが男性名詞なので、男性形。女性名詞ならnenhuma。
- Eu nunca estudei em Portugal.(私はポルトガルで勉強したことが一度もありません)
- nunca → 動詞の前に置くので、nãoは付けない。完全過去と使うと、「一度も〜したことがない」の意味になる。
- Eles não moram nem em Osaka nem em Tóquio.(彼らは大阪にも東京にも住んでいません)
- nem A nem B → 「AもBもない」。動詞のあとに続くので、動詞の前のnãoは残す。nemを2回使う、強調の形。
練習問題
正しいものを選んでください。
- 「何も食べませんでした」: Eu não comi ( nada / nenhum / ninguém ).
- 「誰も話しかけませんでした」: ( Ninguém / Não ninguém / Alguém ) falou comigo.
- 「ポルトガル語の本を1冊も持っていません」: Não tenho ( nenhum / nenhuma / ninguém ) livro de português.
答え
- nada(「何も〜ない」は、動詞のあとのnadaにnãoを添える)
- Ninguém(「誰も」が主語なら、動詞の前に置き、nãoは付けない)
- nenhum(livroは男性名詞なので、男性形のnenhum)
参考に した 資料
- 級の所属: ブラジルのポルトガル語には、文法を級ごとに一覧にした公開資料がありません。教科書の第19課で習う項目なので、初級(CEFRのA2)に置いています。
- 規則の出典: 香川正子『ニューエクスプレスプラス ブラジルポルトガル語』(白水社)第19課「否定語あれこれ」(p.123)、第11課のnunca(p.81)、第16課の「A nem B」(p.105)、練習問題10(p.128)