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接続法現在(congiuntivo presente)

2026年10月21日

接続法現在(congiuntivo presente)は、話し手が事実として言い切らないこと、つまり意見・願い・疑いを、cheのあとで言うときの動詞の形です。「〜と思う」「〜してほしい」のように、cheの前の動詞がこの形を求めます。

使う場面

cheでつなぐ文のうち、cheの前の動詞が意見や願いを表すときは、cheのあとの動詞を接続法にします。どの形を使うかは、話し手の気分ではなく、cheの前の動詞が決めます。

意見を言う動詞には、credere(信じる・思う)、pensare(考える・思う)、sembrare・parere(〜に思える)があります。願いを言う動詞には、volere(〜してほしい)、sperare(望む)、preferire(〜のほうがよい)、desiderare(望む)があります。

  • Credo che Marco abbia ragione.(マルコは正しいと思います)
  • Penso che lei parli molto bene.(彼女はとても上手に話すと思います)
  • Voglio che tu venga alla festa.(あなたにパーティーに来てほしいです)
  • Spero che domani faccia bel tempo.(明日は天気がよいといいですね)

「知っている」「言う」のように、事実として言い切る動詞のあとは、直説法のままです。So che Marco ha ragione.(マルコが正しいことを知っています)は、直説法のhaを使います。叙法の違いは「叙法(modi verbali)」の記事で扱っています。

cheの前後で主語が同じときは、cheを使わずに不定詞を続けます。Voglio andare a casa.(私は家に帰りたいです)、Credo di avere ragione.(私は自分が正しいと思います)のように、volereのあとはそのまま不定詞、credereのあとはdi+不定詞です。volereやcredereでは、主語が違うときにche+接続法になります。

作り方

規則動詞は、語幹に人称ごとの語尾を付けて作ります。-are動詞は語尾がiの形、-ere・-ire動詞は語尾がaの形です。io・tu・lui/leiの3つは同じ形になるので、誰のことかを区別したいときは、主語の人称代名詞を残します。noiの形は直説法現在のnoiの形と同じで、voiの形は-iamoをiateに替えたものです。表のloro行のアクセント記号は、アクセントのある母音を示す印で、実際のつづりには書きません。

人称
io・tu・lui/lei
parlare(話す)
parli
prendere(取る)
prenda
dormire(眠る)
dorma
finire(終える)
finisca
人称
noi
parlare(話す)
parliamo
prendere(取る)
prendiamo
dormire(眠る)
dormiamo
finire(終える)
finiamo
人称
voi
parlare(話す)
parliate
prendere(取る)
prendiate
dormire(眠る)
dormiate
finire(終える)
finiate
人称
loro
parlare(話す)
pàrlino
prendere(取る)
prèndano
dormire(眠る)
dòrmano
finire(終える)
finìscano

つづりが変わる動詞があります。-care・-gareで終わる動詞は、cやgの硬い音を保つためにhを足します(cercare → cerchi、pagare → paghi)。-iareで終わる動詞は、iが1つだけになります(studiare → studi、mangiare → mangi)。

不規則動詞の多くは、現在形のioの形の語末の-oをaに替えて作ります(vengo → venga、esco → esca)。noiとvoiの形は規則動詞と同じで、loroの形は語末の-aを-anoに替えます(vada → vadano)。次の表は、io・tu・lui/leiの形です。

作り方(元の形・現在形のio・接続法現在)
元の形現在形のio接続法現在
andare(行く)vadovada
fare(する)facciofaccia
venire(来る)vengovenga
uscire(出る)escoesca
dire(言う)dicodica
potere(できる)possopossa
volere(〜したい)vogliovoglia
bere(飲む)bevobeva
essere(〜だ)sonosia
avere(持つ)hoabbia
sapere(知る)sosappia
stare(いる)stostia
dare(与える)dodia

上の表で、現在形のioから作れるのは、andare・fare・venire・uscire・dire・potere・volere・bereです。essere・avere・sapere・stare・dareは、この仕組みに当てはまらず、形を単語ごとに覚えます。

日本語との違い

日本語は、「〜と思う」が付いても、前の部分の形が変わりません。「マルコは正しい」と言い切っても、「マルコは正しいと思う」と言っても、「正しい」の形は同じです。イタリア語は、cheの前の動詞が意見や願いを表すと、cheのあとの動詞の形が接続法に変わります。

もう1つの違いは願いの言い方です。日本語は、自分の願いなら「〜たい」、相手にしてほしいことなら「〜てほしい」と、言葉そのものを替えます。「私は帰りたい」と「私はあなたに来てほしい」がその例です。イタリア語は、主語が同じなら不定詞(Voglio andare.)、違うならche+接続法(Voglio che tu venga.)にします。

接続法現在のLeiに対する形は、「命令法Leiと代名詞の位置」の記事で見たParli!・Prenda!・Venga!と同じ形です。Leiへの命令は、接続法現在の形を借りて作っています。

くだけた話し言葉では、接続法の代わりに直説法を使う人もいます。それでも、書き言葉や改まった場面では接続法を使います。

credereは、確信を持って言うときは直説法も取ります。

例文

  1. Credo che Marco abbia ragione.(マルコは正しいと思います)
  2. abbia → avere・lui。credereのあとなので接続法。avereは不規則。
  1. Penso che lei parli molto bene.(彼女はとても上手に話すと思います)
  2. parli → parlare・lei。pensareのあとなので接続法。
  1. Voglio che tu venga alla festa.(あなたにパーティーに来てほしいです)
  2. venga → venire・tu。主語が違うのでche+接続法。現在形のvengoから作る。
  1. Spero che domani faccia bel tempo.(明日は天気がよいといいですね)
  2. faccia → fare・lui/lei。願いを表すsperareのあとなので接続法。
  1. Mi sembra che loro capiscano già l'italiano.(彼らはもうイタリア語が分かるようです)
  2. capiscano → capire・loro。-isc-動詞は、loroでもiscが残る。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. Voglio che tu ( vieni / venga / venire )alla festa.
  2. Spero che domani ( fa / faccia / fare )bel tempo.
  3. Mi sembra che loro ( parlando / parlino / parlare )già italiano.
  4. So che lui ( è / sia / essere )a Roma.
答え
  1. venga(volereのあと、主語が違うのでche+接続法)
  2. faccia(speroのあとなので接続法)
  3. parlino(mi sembra cheのあとなので接続法)
  4. è(sapereは事実として言い切る動詞なので直説法)

練習問題(例文の穴埋め5問)

参考にした資料

  • Gatti, Peyronel『Grammatica in contesto』(Loescher)第24課 Congiuntivo, 現在形と用法, pp.258–265。接続法現在の語尾、-care・-gare・-iareのつづり、不規則動詞の形、意見・願いのあとの用法、主語が同じときの不定詞。例文は載せず、規則だけを参考にしています
  • 長神悟『イタリア語のABC[音声DL版]』(白水社)目次, 第19課「接続法」「接続法現在の形態」「接続法の用法(1)」p.192。日本語の用語の確認にだけ使いました
  • Treccani, Congiuntivo(Enciclopedia dell'Italiano)「ci sono infatti verbi che reggono il congiuntivo e altri che reggono l'indicativo」、「so che Giovanni è partito」と「temo che Giovanni sia partito」の対比。cheの前の動詞が叙法を決めること、接続法の代わりに直説法を使うと言葉づかいが一段低くなるが文の意味は変わらないこと(「temo che Giovanni è partito」)、credereは確信を表すと直説法、推測を表すと接続法を取ること(「credere regge l'indicativo quando esprime una certezza … e il congiuntivo quando esprime un'ipotesi」)を確認(2026-10-21閲覧)
  • Wikizionario(イタリア語版ウィクショナリー), Coniugazione di parlare・prendere・dormire・finire・essere・avere・andareほか表の全動詞の接続法現在の欄を照合(CC BY-SA)(2026-10-21閲覧)
  • 級の所属: CILS UNO-B1 Sillabo delle strutture morfosintattiche(シエナ外国人大学が実施するイタリア語検定CILSの、B1で出る文法の一覧)の時制の欄に接続法は載っていません。このサイトでは中級(B1)に置いています(2026-10-21閲覧)
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