本文へ

未来形(futuro semplice)

2026年10月21日

未来形(futuro semplice)は、これから起こることや、はっきり分からないことを推し量って言うときの動詞の形です。不定詞の末尾を-er-・-ir-に変え、その後ろに6つの人称の語尾を付けて作ります。

使う場面

未来形には2つの使い道があります。1つめは、話している時点より後のことを言う使い方です。「明日行きます」「来年始めます」のような予定や見通しに使います。2つめは、今のことを推し量る使い方です。「今ごろ家にいるだろう」「たぶん10分かかるだろう」のように、確かめていないことを言います。

確実な近い予定は、現在形でも言えます。Domani parto.(明日出発します)と言えば、予定が決まっている感じが出ます。未来形は、少し先のことや、まだ決まっていないことに向きます。

  • Domani partirò per Napoli.(明日、私はナポリへ出発します)
  • L'anno prossimo studieremo il giapponese.(来年、私たちは日本語を勉強します)
  • Non risponde: sarà ancora al lavoro.(返事がありません。まだ仕事中なのでしょう)

作り方

規則動詞は、不定詞の末尾の-are・-ereをerに、-ireをirに変えて、人称ごとの語尾を付けます。-are動詞と-ere動詞は同じ語尾になります。語尾の-ò・-àのように、アクセントが最後の母音にあるときは、その母音にアクセント記号を書きます。

作り方(人称・parlare(話す)・prendere(取る)・dormire(眠る))
人称parlare(話す)prendere(取る)dormire(眠る)
ioparleròprenderòdormirò
tuparleraiprenderaidormirai
lui/leiparleràprenderàdormirà
noiparleremoprenderemodormiremo
voiparlereteprenderetedormirete
loroparlerannoprenderannodormiranno

つづりが変わる動詞があります。-care・-gareで終わる動詞は、cやgの硬い音を保つためにhを足します(cercare → cercherò、pagare → pagherò)。-ciare・-giareで終わる動詞は、iが落ちます(cominciare → comincerò、mangiare → mangerò)。studiareのように、c・g以外に続く-iareではiが残ります(studiare → studierò)。

不規則動詞は、語幹が短くなったり、rが重なったりします。ただし語尾は規則動詞と同じで、io・tu・lui/lei・noi・voi・loroの順に-ò・-ai・-à・-emo・-ete・-annoです。次の表は語幹とioの形を示します。

作り方(元の形・未来形の語幹・io・日本語)
元の形未来形の語幹io日本語
essere(〜だ)sar-sarò私は〜だろう
dare(与える)dar-darò私は与えるだろう
fare(する)far-farò私はするだろう
stare(いる)star-starò私はいるだろう
avere(持つ)avr-avrò私は持つだろう
andare(行く)andr-andrò私は行くだろう
potere(できる)potr-potrò私はできるだろう
dovere(〜しなければならない)dovr-dovrò私は〜しなければならないだろう
sapere(知る)sapr-saprò私は知るだろう
vedere(見る)vedr-vedrò私は見るだろう
venire(来る)verr-verrò私は来るだろう
volere(〜したい)vorr-vorrò私は〜したいだろう
bere(飲む)berr-berrò私は飲むだろう

essere・dare・fare・stareは語幹の母音がaになります(-ar-)。avere・andare・potere・dovere・sapere・vedereは語幹の母音が落ちます(-r-)。venire・volere・bereは母音が落ちて、rが重なります(-rr-)。この語幹は、「条件法現在」の記事で扱う条件法現在でも、そのまま使います。

日本語との違い

日本語には未来を表す専用の形がありません。「明日行く」のように、現在形と同じ形で未来を言います。イタリア語も現在形で近い未来を言えますが、未来形を使うと、少し先のことや、まだ確かでないことだと分かります。

「〜だろう」「〜でしょう」に当たる推量にも、未来形を使えます。日本語は文末に「だろう」を付けますが、イタリア語は動詞の形そのものを未来形に変えます。Sarà a casa.は「家にいるでしょう」です。この使い方は、これからのことではなく今のことを言う点も、日本語の「だろう」と同じです。

例文

  1. Domani partirò per Napoli.(明日、私はナポリへ出発します)
  2. partirò → partire・io。-ire動詞なので-irò。
  1. L'anno prossimo studieremo il giapponese.(来年、私たちは日本語を勉強します)
  2. studieremo → studiare・noi。-iareでもiが残る。
  1. Non risponde: sarà ancora al lavoro.(返事がありません。まだ仕事中なのでしょう)
  2. sarà → essere・lui/lei。今のことを推し量る使い方。
  1. Quando avrò tempo, ti scriverò.(時間があるときに、あなたに手紙を書きます)
  2. avrò → avere・io。avereは語幹がavr-になる。
  1. Fra due anni andremo a vivere a Roma.(2年後に、私たちはローマへ移り住みます)
  2. andremo → andare・noi。andareは語幹がandr-になる。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. L'anno prossimo io ( studiavo / studierò / ho studiato )il giapponese.
  2. Non risponde: ( sarà / sei / fu )ancora al lavoro.(返事がありません。まだ仕事中なのでしょう)
  3. Fra due anni noi ( avremo / abbiamo avuto / avevamo )una casa nuova.
答え
  1. studierò(来年のことなので未来形)
  2. sarà(lui/leiの推量、essereの未来形)
  3. avremo(2年後のことなので、avereの未来形)

練習問題(例文の穴埋め5問)

参考にした資料

  • Gatti, Peyronel『Grammatica in contesto』(Loescher)第13課 Indicativo futuro, pp.122–125。未来形の語尾、-care・-gare・-ciare・-giareのつづり、essere型・avere型・rimanere型の不規則な語幹、未来のことと推量の用法、確実な予定を現在形で言えること。例文は載せず、規則だけを参考にしています
  • 長神悟『イタリア語のABC[音声DL版]』(白水社)目次, 第15課「直説法未来」p.154。日本語の用語「未来」の確認にだけ使いました
  • Treccani, Futuro(Enciclopedia dell'Italiano)「Il futuro (o futuro semplice) è un tempo verbale dell'indicativo con cui si esprimono azioni o eventi successivi al momento in cui si emette l'enunciato」。未来のことを言う使い方に加えて、未来形が推量にも使われることを確認(2026-10-21閲覧)
  • Wikizionario(イタリア語版ウィクショナリー), Coniugazione di parlare・prendere・dormire・essere・avere・andare・venireほか表の全動詞の未来形の欄を照合(CC BY-SA)(2026-10-21閲覧)
  • 級の所属: CILS UNO-B1 Sillabo delle strutture morfosintattiche(シエナ外国人大学が実施するイタリア語検定CILSの、B1で出る文法の一覧)の時制の欄に未来形は載っていません。このサイトでは中級(B1)に置いています(2026-10-21閲覧)
  1. 色の言い方(aggettivi di colore)rossoとrosaの違いが分かり、語尾を合わせるかそのままかが選べます。
  2. 条件法現在(condizionale presente)条件法現在の作り方と、丁寧な頼み方・願い・助言の言い方が分かります。
  3. 接続法現在(congiuntivo presente)接続法現在の作り方と、思う・望むのあとにcheで続ける使い方が分かります。
  4. 主語人称代名詞とessere(pronomi soggetto)主語人称代名詞と、「〜です」にあたるessereの現在形の作り方が分かります。