音節の分け方(divisione in sillabe)
2026-09-27
イタリア語の単語は、母音の数だけ音節に分かれます。アクセントの記事で見た音節(母音を中心にしたひとまとまりの発音の単位)を、どこで区切るかには決まりがあります。子音が1つなら次の母音に付き、二重子音は必ず2つに割れ、s+子音はいつも一続きです。
音節の分け方とは
母音と母音のあいだに子音が1つだけあるとき、その子音は前の母音ではなく後ろの母音に付きます。casaはca-sa、peraはpe-ra、lavoroはla-vo-roのように切れます。Accademia della Cruscaの区分けの項は、単純な子音は後ろの母音と1つの音節を作る、と説明しています。前の音節は母音だけで終わり、子音は次の音節の頭に回ります。
| 単語 | 区切り | 日本語 |
|---|---|---|
| casa | ca-sa | 家 |
| pera | pe-ra | 洋なし |
| lavoro | la-vo-ro | 仕事 |
日本語のローマ字書きでlavoroを読むと、子音と母音が交互に並ぶので区切りに迷いませんが、この「後ろに付く」という決まりそのものは、次の項目のように子音が2つ以上重なると効かなくなります。
割れない子音の並び
b c d f g p t vのあとにlかrが続く並び(muta cum liquida)は割れず、後ろの母音に一緒に付きます。libroは1つ前の決まりどおりならlib-roになりそうですが、実際はli-broです。Cruscaは、この並びを2つに割ることは決してない、と明言しています。
| 単語 | 区切り | 日本語 |
|---|---|---|
| libro | li-bro | 本 |
| acre | a-cre | 酸っぱい |
| quadro | qua-dro | 絵 |
s+子音(s impura)も割れません。単純な子音が1つのときの決まりとは別扱いで、sは必ず後ろの子音と一緒に次の音節へ回ります。respiroはre-spi-ro、pescaはpe-scaです。
| 単語 | 区切り | 日本語 |
|---|---|---|
| respiro | re-spi-ro | 呼吸 |
| pesca | pe-sca | 釣り・桃 |
| costo | co-sto | 費用 |
二重子音と3つ以上の並び
二重子音の記事で見た、重ねて書く子音は、音節の区切りでも必ず2つに割れます。balloはbal-lo、tettoはtet-toです。
| 単語 | 区切り | 日本語 |
|---|---|---|
| ballo | bal-lo | 踊り |
| tetto | tet-to | 屋根 |
| passo | pas-so | 歩み |
子音が3つ以上続くときは、最初の子音のあとで割れます。ただし最初がsなら、s impuraのまま、s+子音のまとまりごと後ろの音節に残ります。controlloは子音の並び(ntr)の最初がnなので、nのあとで割れてcon-trol-loになります。Treccaniの一覧の項も、同じ形を挙げています。イタリア語の単語の頭に来られない子音の並び(cn lm rc bd mb mn ld ng nd tmなど)は、この決まりとは別に、その並びのあいだで割れます。単語の頭に来られるかどうかは、子音が連続するつづりの記事にある、strada(道)やsport(スポーツ)のような語頭の並びの一覧と同じ考え方です。
日本語との違い
日本語の拍(モーラ)は最初から決まった単位で、パ・ス・タのように1文字が1拍です。単語を拍のどこで区切るか、という決まりを別に覚える必要がありません。イタリア語は母音の数で音節の数が決まりますが、どの子音がどちらの音節に付くかは、上の決まりを知らないと分かりません。libroをlibとroに割ると、イタリア語の音節とは違う区切りになります。s impura(respiroのspなど)や二重子音(tettoのtt)の扱いは、日本語のモーラの感覚では出てこない決まりです。
かなのローマ字書きも、子音と母音が交互に並ぶ単位で1拍を作るので、イタリア語の子音の連続はローマ字の型に当てはまりません。respiroを日本語のローマ字の感覚で読むと、re・s・pi・roのようにsだけを独立させたくなりますが、イタリア語の音節ではsは単独の音節にならず、必ず次の子音とセットで後ろの母音に付きます。libroのbrも同じで、bとrを別々の拍に分けず、ひとまとまりのまま後ろのoに渡します。
練習問題
正しいものを選んでください。
- libroの音節は(
lib-ro/li-bro/l-ibro)。 - respiroの音節は(
res-piro/re-spi-ro/resp-iro)。 - tettoの音節は(
te-tto/tet-to/t-etto)。
答え
li-bro(brはmuta cum liquidaで割れない)re-spi-ro(spはs impuraで割れない)tet-to(二重子音は必ず2つに割れる)
参考にした資料
- Accademia della Crusca, Divisione in sillabe「Una consonante semplice forma una sillaba con la vocale seguente… Non si divide mai un gruppo di consonanti formato da b, c, d, f, g, p, t, v + l oppure r… Non si divide mai un gruppo formato da s + consonante/i」単純子音・muta cum liquida・s impuraの区切りの決まりの根拠(2026-09-27閲覧)
- Wikipedia (IT), Divisione in sillabe 二重子音の区切り(tet-to, pas-so)の実例(2026-09-27閲覧)
- [Treccani, Sillabe, divisione in [prontuario] (Enciclopedia dell'Italiano)](https://www.treccani.it/enciclopedia/divisione-in-prontuario-sillabe_(Enciclopedia-dell%27Italiano)/) 子音が3つ以上続くときの区切り(con.trol.lo)の根拠(2026-09-27閲覧)