アクセント(accento)
2026-09-22
イタリア語の単語には、強く読む位置が一つあります。多くの単語では、後ろから二つ目の音節が強い位置です。casa(家)、parlare(話す)がこの既定です。強い位置が最後の母音に来るときだけ、つづりに印を書きます。città(都市)、perché(なぜ・〜ので)、caffè(コーヒー)、università(大学)がこの印です。
どういうものか
話すときの強勢は、ほぼすべての単語にあります。書くときに印が要るのは、一部だけです。正書法の項は、印は強い母音の上にだけ置けて、単語の末尾では義務、単語の途中では任意、と書いています。途中の任意の印は辞書や学習用で、普通の文には書きません。
後ろから二つ目が既定なので、casaにもparlanoにも印は付きません。parlanoの強い位置は先頭の音節にあります。次の表の右列だけが、位置を示す学習用の印です。実際のつづりには書きません。
| 実際のつづり | 位置の印 |
|---|---|
| parlano | pàrlano |
アクセントの位置を示す印で、実際のつづりには書きません。
末尾に書くとき
最後の母音が強い位置なら、その母音に印を書きます。色の付いた字母が、つづりに残る印です。
| 例 | 日本語 |
|---|---|
| città | 都市 |
| università | 大学 |
| perché | なぜ・〜ので |
| caffè | コーヒー |
| però | しかし |
| lunedì | 月曜日 |
Roma è una città bella.(ローマは美しい都市です)、Bevo un caffè.(コーヒーを1杯飲みます)、L'università è grande.(大学は大きいです)のように、入門の文にそのまま出ます。Oggi è lunedì.(今日は月曜日です)、Non vengo, però resto a casa.(行きません、しかし家に残ります)も末尾の印です。印を落とすとcitta、perche、caffeになり、つづりとして通りません。一音節で母音字が二つ続くgià(すでに)、può(〜できる)にも印が付きます。quaとquiには印を書きません。
eの開きと閉じ
eの上の印には向きが二つあります。上から下へ向かう印(accento grave)は開いたeで、caffèがこの印です。下から上へ向かう印(accento acuto)は閉じたeで、perchéがこの印です。開いたeは日本語の「え」より口を開き、閉じたeは「え」に近い口です。Cruscaは、コンピュータで書くときはéとèを書き分ける、としています。oの末尾はほぼ開いたoなので、peròのように下向きだけが出ます。
一音節のちがい
一音節でも、別の単語とつづりが重なるものは印で分けます。èはessere(〜である)、eは「そして」です。dàはdare(与える)の現在、daは前置詞の「〜から・〜のところ」です。sìは「はい」、siは再帰の代名詞です。
| 印あり | 印なし |
|---|---|
| è(〜である) | e(そして) |
| dà(与える) | da(〜から) |
| sì(はい) | si(自分を) |
Anna è a casa e Luca è a Roma.(アンナは家に、ルカはローマにいます)では、èに印があり、eに印はありません。Marco dà il libro a Luca.(マルコはルカに本を渡します)のdàと、Vengo da Roma.(ローマから来ます)のdaを取り違えないようにします。Sì, mi chiamo Sara.(はい、サラです)のsìと、Marco si chiama Marco.(マルコはマルコといいます)のsiも、印の有無で分かれます。
日本語とのちがい
日本語の高低アクセントは、普通の文に印を書きません。イタリア語は、強い位置が最後の母音に来るときと、一音節で別の単語と重なるときに、つづりへ印を出します。既定の位置(後ろから二つ目)には印が無いので、「書いていない=強勢が無い」ではありません。書いていないcasaにも、話すときの強い位置はあります。
漢字の振り仮名のように、学習用の印を本文へ持ち込むと、実際のつづりと混ざります。学習用の印は上の表の右列だけに限り、文の中ではcittà、perché、caffèのように、正書法が求める印だけを書きます。日本語は高低で単語を分けても、普通の表記に印を残しません。イタリア語は、最後の母音が強いときに限って、その場所を字母の上へ出します。書いていないcasaを平坦に読むと、イタリア語のリズムから外れます。印の有無は「強勢があるかないか」ではなく、「強勢が末尾か、既定の位置か、一音節で別の単語と重なるか」の印です。
練習問題
正しいものを選んでください。
- Roma è una( citta / città / cittaa )bella.
- Studio italiano( perche / perché / perchè )mi piace.
- ( Si / Sì / se ), mi chiamo Anna.
答え
- città(都市は最後のaに印。
cittaは印落ち) - perché(閉じたeは上向き。
percheは印落ち、perchèは開きの印で別) - Sì(はい。siは再帰、seは「もし」)
参考にした資料
- イタリア語版Wikipedia, Ortografia della lingua italiana「L'accento grafico」「Accento in fin di parola (obbligatorio)」末尾の母音への印は義務。città、perché、caffèを例に挙げる。閉じたeは上向き(perché)、開いたeは下向き(cioè、caffè)(2026-09-22閲覧)
- Accademia della Crusca, Vademecum sull'accento「con l'accento acuto […] indichiamo la e chiusa di perché, con l'accento grave […] la e aperta di caffè」。èとe、dàとda、sìとsiの対も同頁(2026-09-22閲覧)