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指示詞​(questo・quello)

2026-09-21

questo(これ・この)とquello(あれ・あの)は、話し手からの距離でものや人を指す指示詞です。名詞の前に置く形容詞としても、名詞の代わりに単独で使う代名詞としても使え、questoはどちらの使い方でもquesto・questa・questi・questeの4つ(形容詞では母音の前でquest')ですが、quelloは形容詞として使うときと代名詞として使うときでつづりが変わります。入門(CEFRのA1)の範囲では、questoの4つのつづりと、quelloの形容詞としての作り方・代名詞としての作り方を押さえれば足ります。

使う​場面

questoは話し手の近くにあるもの、quelloは話し手から離れたものを指すときに使います。名詞の前に置けば「この本」「あの家」のような形容詞になり、名詞を省いて単独で使えば「これ」「あれ」にあたる代名詞になります。前に出た話題を指して「それ」「あれ」と言い換えるときにもquelloを使います。

  • Questo libro è nuovo.(この本は新しいです)
  • Quella casa è grande.(あの家は大きいです)
  • Questo è nuovo, quello è vecchio.(これは新しくて、あれは古いです)

作り方

questoは名詞の性と数で4つのつづりを、quelloは形容詞のときは定冠詞と同じ音の決まりで7つのつづりを、代名詞のときはもっと単純な4つのつづりを使い分けます。色の付いた部分が指示詞です。まずquestoです。

作り方
元の形questoつき日本語
libro(本・男性・単数)questo libroこの本
casa(家・女性・単数)questa casaこの家
libri(本・男性・複数)questi libriこれらの本
case(家・女性・複数)queste caseこれらの家

続けて、形容詞として使うquelloです。定冠詞(il・lo・l'・la・i・gli・le)と同じ音の決まりでつづりを選びます。

作り方
元の形quelloつき(形容詞)日本語
libro(本・男性・単数)quel libroあの本
studente(学生・男性・単数、s+子音で始まる)quello studenteあの学生
zaino(リュック・男性・単数、zで始まる)quello zainoあのリュック
amico(友人・男性・単数、母音で始まる)quell'amicoあの友人
casa(家・女性・単数)quella casaあの家
amica(友人・女性・単数、母音で始まる)quell'amicaあの友人
libri(本・男性・複数)quei libriあれらの本
studenti(学生・男性・複数)quegli studentiあの学生たち
case(家・女性・複数)quelle caseあれらの家

続けて、代名詞として名詞なしで使うquelloです。

作り方
元の形quello(代名詞)日本語
libro(男性・単数、名詞を言わずに指す)quelloあれ(男性・単数)
casa(女性・単数、名詞を言わずに指す)quellaあれ(女性・単数)
libri(男性・複数、名詞を言わずに指す)quelliあれら(男性・複数)
case(女性・複数、名詞を言わずに指す)quelleあれら(女性・複数)

questoは名詞の性と数で決まり、男性単数questo・女性単数questa・男性複数questi・女性複数questeの4つで、形容詞としても代名詞としても同じつづりを使います。形容詞として母音で始まる単数名詞の前に置くときだけ、quest'amica・quest'annoのようにoやaを省きます。quelloを形容詞として使うときは、定冠詞と同じ音の決まりでつづりを選びます。男性単数は普通quel、頭がs+子音・z・gn・ps・yのときはquello、母音のときはquell'になり、複数もil/lo/l'がi/gliに変わるのと同じようにqueiとquegliに分かれます。母音で始まる男性名詞の複数(amici)もquegliになります。女性は単数がquella(母音の前でquell')、複数はquelleです。一方、quelloを代名詞として名詞なしで使うときは、形容詞のときのquelやquell'のような音による変化がなく、quello・quella・quelli・quelleの4つだけになります。

日本語との​違い

questoやquelloを名詞の前に置く語順は、日本語の「この本」「あの家」と同じです。指示詞が名詞の前に来る点は、素直に日本語の感覚のまま使えます。

一方、日本語は「これ・それ・あれ」「この・その・あの」のように、話し手に近いか・聞き手に近いか・どちらからも遠いかで3つに分けますが、標準的な現代イタリア語のquesto・quelloは2つしかありません。聞き手の近くにあるものも、話し手から見て近くになければquelloで指します。「それ」にあたる語を探すのではなく、話し手からの距離だけで2つに分ける感覚に切り替える必要があります。

もう1つの違いは、quelloが形容詞として名詞の前に置かれるときだけ、名詞の頭の音に合わせてquel・quello・quell'・quei・quegliとつづりを変える点です。日本語の「あの」は、あとに来る名詞が何であっても形が変わりませんが、イタリア語のquelloは定冠詞と同じ規則で、名詞の音を聞いてからつづりを選びます。代名詞として単独で使うときはこの変化がなく、quello・quella・quelli・quelleの4つだけになります。

定冠詞との​使い分け

定冠詞(il・lo・l'・la・i・gli・le)も「その」と訳せる場面があり、questo・quelloと混同しやすいです。定冠詞は指さずに「話し手と聞き手が同じものを思い浮かべている」ことだけを示しますが、questo・quelloは実際に指で示すように、話し手からの距離を伝えます。

定冠詞との使い分け
使う場面語例
すでに話に出た、指さない定冠詞Il libro è interessante.(その本は面白いです)
話し手の近くにあるものを指すquestoQuesto libro è interessante.(この本は面白いです)
話し手から遠いものを指すquelloQuel libro è interessante.(あの本は面白いです)

例文

各文の下に、questoかquelloか、なぜそのつづりになるかを書きます。

  1. Questo libro è nuovo.(この本は新しいです)
  2. Questo → 指示詞・男性・単数。libroは子音で始まる男性名詞なのでquesto。母音で始まる単数名詞の前ならquest'になる。
  1. Quella casa è grande.(あの家は大きいです)
  2. Quella → quelloの形容詞・女性・単数。casaは子音で始まる女性名詞。
  1. Quell'amico abita a Roma.(あの友人はローマに住んでいます)
  2. Quell' → quelloの形容詞・男性・単数。amicoは母音で始まるのでquelloのoを省略する。
  1. Questo libro è nuovo, quello è vecchio.(この本は新しくて、あれは古いです)
  2. quello → quelloの代名詞・男性・単数。名詞libroを言わずに指すので、形容詞のときのquelとは違うつづりになる。
  1. Non voglio questi libri, voglio quelli.(これらの本は要りません、あちらが欲しいです)
  2. voglio → volere・io(補助動詞とvorreiの記事で見た形)。
  3. quelli → quelloの代名詞・男性・複数。libriを言わずに指す。
  1. Quegli studenti sono in aula.(あの学生たちは教室にいます)
  2. Quegli → quelloの形容詞・男性・複数。studentiはs+子音で始まるので、定冠詞のgliと同じ規則でquegliになる。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. ( Questo / Questa / Questi )zaino è nuovo.
  2. ( Quel / Quello / Quell' )studente è italiano.
  3. Non voglio questo libro, voglio( quello / quelli / quella ).
答え
  1. Questo(zainoは男性・単数)
  2. Quello(studenteはs+子音で始まる男性・単数)
  3. quello(libroを指す代名詞・男性・単数)

練習問題(例文の穴埋め10問)

参考に​した​資料