伊検とCILSの違い
2026-10-03
日本で受けられるイタリア語の試験は主に2つあります。伊検(実用イタリア語検定)は、日本のイタリア語検定協会が行っている検定です。CILSは、シエナ外国人大学が問題の作成と採点を行う、イタリア政府認定の検定です。級の並びも、合格の仕方も、受験料も違います。それぞれの説明は伊検(実用イタリア語検定)とCILS(シエナの検定)にあります。
運営と歴史
| 伊検 | CILS | |
|---|---|---|
| 主催 | 特定非営利活動法人イタリア語検定協会 | シエナ外国人大学。日本ではイタリア文化会館 |
| 開始 | 1995年。第1回は東京と大阪 | イタリアの大学の検定として各国で実施 |
| 回数 | 年2回(春と秋)。2026年10月が第63回 | 大阪で年2回(6月と12月) |
| 会場 | 国内11か所とミラノ(第63回) | 大阪(中之島フェスティバルタワー) |
イタリアの検定にはもう1つ、ダンテ・アリギエーリ協会のPLIDAがあります。レベルの分け方はCILSと同じで、東京で受けられます。受験料は、A1とA2が12,000円です。中身はPLIDA(ダンテの検定)にあります。
級の並びと合格の仕方
伊検は5級が入口で、1級が最上級です。CILSはA1が入口で、QUATTRO(C2)が最上級です。どちらも、受ける級を選んで申し込みます。
| 伊検 | CILS | |
|---|---|---|
| 級 | 5級 → 4級 → 3級 → 準2級 → 2級 → 1級 | A1 → A2 → UNO(B1) → DUE(B2) → TRE(C1) → QUATTRO(C2) |
| 科目 | リスニングと筆記。3級から作文、2級と1級は二次試験で口述 | どのレベルも聴解、読解、文法、作文、口頭試験の5科目 |
| 合格 | 合計点と、リスニング・筆記のそれぞれに基準点がある。基準点は回ごとに決まる | 5科目のすべてで基準の点に届くと合格 |
| 持ち越し | 2級と1級の二次試験だけ、次の回に限り一次試験が免除される | 届かなかった科目だけを、18か月以内に受け直せる |
| 併願 | 隣り合う2つの級を同じ回に受けられる | 1回に受けられるのは1つのレベル |
話す試験の置き方が違います。伊検で口述試験があるのは2級と1級だけで、5級と4級はマークシートだけで受けられます。CILSは、A1から口頭試験と作文があります。
各級が測るもの
CILSのレベルはCEFRのA1からC2に合わせてあります。伊検の案内には、CEFRとの対応が書かれていません。そのため、2つの試験の級を対応させた公式の表はありません。ここでは、入口の2つの級を比べます。
- 目安
- 伊検5級
- 初歩的なイタリア語が分かる。挨拶、紹介、質問への返事ができる
- 伊検4級
- 自己紹介、簡単な道案内、買い物、バールでの注文ができる
- CILS A1
- 自己紹介ができ、住んでいるところや持ち物について質問したり答えたりできる
- CILS A2
- 家族、買い物、仕事など、身近な話題の表現を理解して使える
- 時間
- 伊検5級
- 80分
- 伊検4級
- 80分
- CILS A1
- 約2時間
- CILS A2
- 約2時間30分
- 話す試験
- 伊検5級
- なし
- 伊検4級
- なし
- CILS A1
- あり
- CILS A2
- あり
- 作文
- 伊検5級
- なし
- 伊検4級
- なし
- CILS A1
- あり
- CILS A2
- あり
問題の言語と出題範囲
どちらの試験も、問題はイタリア語で書かれています。伊検の問題冊子は、5級から設問も指示もイタリア語です。日本語とイタリア語の間で訳す科目は、どちらにもありません。
出題範囲の示し方は違います。CILSは、レベルごとに、試験で扱う文法の一覧を出しています。伊検は、級ごとの目安を文で示しています。
日程と受験料(2026年)
| 伊検 | CILS(大阪) | |
|---|---|---|
| 試験日 | 第63回は10月11日(日)。2級と1級の二次試験は11月29日(日) | 6月21日(日)と12月6日(日) |
| 申し込み | 7月1日〜8月13日 | 12月の試験は8月5日〜10月5日 |
| 受験料 | 5級5,220円、4級6,220円、3級8,220円、準2級9,220円、2級12,220円、1級15,220円 | A1とA2は15,000円、B1は20,000円、B2は23,000円、C1は24,000円、C2は27,000円 |
| 結果 | 一次試験は11月18日(水)から | 試験の約3か月後 |
入口の級で比べると、受験料はCILSが伊検の3倍近くになります。
規模
伊検は、1995年の第1回から第58回までに、延べ120,469人が申し込み、40,172人が合格しました。いちばん申込者が多いのは4級の38,236人です。CILSの日本での受験者数は公表されていません。
資格の使い道
CILSは、イタリアの制度で使われる試験です。DUE(B2)に合格すると、イタリアの大学に入るときのイタリア語の試験が免除されます。UNO(B1)は、イタリアの市民権を申請するときに求められるレベルです。認定に有効期限はありません。
伊検は日本の検定です。1級の合格者は、全国通訳案内士試験の筆記試験で、語学の科目が免除されます。協会は、大学が取得を勧めている例や、就職で語学力の証明に使われている例を挙げています。
最初に受ける試験の選び方
目的で決まります。イタリアの大学への入学など、イタリアの制度で使うなら、通用するのはCILSです。日本で学習の進み具合を確かめたい人には、受験料が5,220円からで、国内11か所で受けられる伊検の5級と4級が受けやすい試験です。
力の見方でも選べます。伊検の5級と4級は、聞く力と読む力をマークシートで確かめる試験です。CILSはA1から口頭試験と作文があるので、話す力と書く力を確かめたい人に向いています。
このサイトの文法のシリーズは、CILSのA1とA2の文法の一覧に合わせて作っています。伊検では、5級と4級が目安です。
参考にした資料
- イタリア語検定協会「検定概要」(2026-10-03閲覧)。各級の目安、口述試験の免除、第58回までの申込者と合格者、資格の使い道。
- イタリア語検定協会「試験結果」(2026-10-03閲覧)。級ごとの科目、時間、合格の基準。
- イタリア語検定協会トップページと「出願方法」(2026-10-03閲覧)。第63回の日程、会場、受験料。
- イタリア語検定協会「過去問サンプル」第57回 5級の問題冊子(2026-10-03閲覧)。問題の言語。
- シエナ外国人大学「Prove Liv. A1 standard」(2026-10-03閲覧)。CILSのA1の問題の見本。問題の言語。
- シエナ外国人大学「La valutazione」(2026-10-03閲覧)。合格の基準、18か月以内の受け直し、結果の時期。
- イタリア文化会館大阪「CILSイタリア語検定試験」(2026-10-03閲覧)。科目、2026年の日程、受験料。
- イタリア文化会館東京「イタリア語検定試験」(2026-10-03閲覧)。レベルの目安、DUEの大学入学。
- シエナ外国人大学「CILS」日本語の案内(2015年、2026-10-03閲覧)。レベルごとの試験時間。
- ダンテ・アリギエーリ協会東京「PLIDA 試験日程・料金」(2026-10-03閲覧)。PLIDAの受験料。