外来語の​つづりと​発音​(forestierismi)

2026-09-27

英語などから入った単語は、イタリア語ではつづりをそのまま残します。sport、computer、mouse、film、barは、日本語ならスポーツ・コンピューター・マウス・フィルム・バーとかな書きに直しますが、イタリア語はアルファベットのつづりを変えません。変わるのは性と複数の扱いだけです。

外来語とは

Treccaniの外来語の項は、bar・film・sportのようによく定着した借用語は、形の上でイタリア語への同化の痕跡をほとんど見せない(つづりが変わらない)、としています。つづりはイタリア語の型に合わせて作り直すのではなく、元のまま使うのが基本ですが、発音はイタリア語の音に合わせて読まれます。アルファベットの記事で見たJ K W X Yも、こうした外来語や固有名にだけ出る文字でした。

単語日本語のかな書きイタリア語のつづり
sportスポーツsport
computerコンピューターcomputer
mouseマウスmouse
filmフィルムfilm
barバーbar

性の​決め方

外来語にも文法上の性は要ります。イタリア語のもとの名詞のように、語尾の形から性が読み取れるわけではありません。決まった性の割り当ての決まりがない単語は、自動的に男性になります。Accademia della Cruscaは、男性は無標(何も決めなければ自動的に選ばれる性)だ、としています。il computer、il mouse、lo sportは、どれもこの決まりで男性です。sportはsで始まる子音の並びなので、冠詞はilではなくloになります。

単語冠詞性
computeril computer男性
mouseil mouse男性
sportlo sport男性

複数形の​作り方

書くときの複数形は、多くの場合そのままの形を保ちます。il mouseもi mouseも同じつづりで、英語のmiceのような特別な複数形にはなりません。bar・film・quiz・tramは、この「複数でも変わらない」型の代表例です。Cruscaは、新しく入った専門語などで英語の-sを複数形に使う例もあるが、基本的には外来語は複数でも形を変えず、単数形と同じつづりのまま(無変化)使うことを勧めています。

単数複数日本語
il bari barバー
il filmi film映画
il trami tram路面電車

日本語との​違い

日本語は借用語の音をかなに作り替え、原語のつづりを残しません。スポーツはsportの音をカタカナの型に当てはめた新しいつづりで、sportという文字の並びはどこにも残りません。イタリア語は逆に、つづりをそのまま残し、性と複数という文法の部分だけを自分の型に合わせます。il computerのilは男性の冠詞で、computerという単語自体は英語のときと同じ字面です。かな書きに慣れていると、外来語も日本語のようにつづりごと作り替えると思いがちですが、イタリア語のsport、computer、mouseは、読むときも書くときも英語の字面のまま扱います。

つづりはほぼそのまま保ちつつ、冠詞などを使って性と数を示すのが、イタリア語の外来語の扱いです(発音はイタリア語風になります)。これが日本語のかな書きとの違いの中心です。日本語では音を変えた時点で「日本語の単語」になりますが、イタリア語ではcomputerという字面が変わらないまま、冠詞と数だけがイタリア語の文法に従います。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. ( Il / La / L' )computer è nuovo.(そのコンピュータは新しいです)
  2. Ho due( bar / bars / bare )vicino a casa.(家の近くにバーが2軒あります)
  3. ( Il / La / Lo )sport è importante.(そのスポーツは大切です)
答え
  1. Il(computerは男性名詞なのでilを使う)
  2. bar(書くときの複数形もbarのまま。barsとはしない)
  3. Lo(sportはs+子音で始まるのでloになる)

参考に​した​資料