強勢形の代名詞(me・te・lui・lei・noi・voi・loro)
初級 2026-09-21
- CEFR A2
- CILS A2
- 伊検4級
イタリア語の人称代名詞には、動詞の前後に軽く置く弱勢形(mi・ti・loなど)と、強く発音してそれだけで際立たせる強勢形(me・te・luiなど)の2種類があります。強勢形は前置詞のあとに置いたり、対比や強調で目的語として使ったりします。初級(CEFRのA2)の範囲では、me・te・lui・lei・Lei・noi・voi・loroという8つの強勢形と、それをいつ使うかを押さえれば足ります。
どんなときに使うか
前置詞(con・per・da・aなど)のあとには、いつも強勢形を置きます。目的語を対比・強調するときにも、弱勢形の代わりに強勢形を使います。anche a me(私も)・neanche a me(私も〜ない)・secondo me(私の考えでは)のような決まった言い方でも、meをはじめとする強勢形を使います。
- Vengo con te.(あなたと一緒に行きます)
- Questo regalo è per lei.(これは彼女への贈り物です)
- Secondo me, hai ragione.(私の考えでは、あなたが正しいです)
作り方
主語人称代名詞ごとの強勢形をまとめます。
| 元の形 | 強勢形 | 日本語 |
|---|---|---|
| io(主語) | me | 私 |
| tu(主語) | te | あなた |
| lui(主語・彼) | lui | 彼 |
| lei(主語・彼女) | lei | 彼女 |
| Lei(敬称の「あなた」) | Lei | あなた(敬称) |
| noi(主語) | noi | 私たち |
| voi(主語) | voi | あなたたち |
| loro(主語・彼ら) | loro | 彼ら |
強勢形が主語人称代名詞と違うつづりになるのはioとtuだけで、me・teという専用のつづりを使います。lui・lei・Lei・noi・voi・loroは主語人称代名詞と同じつづりのまま、強勢形としても使います。
日本語とのちがい
Lei(敬称の「あなた」)とtuの強勢形teを使い分ける場面は、日本語の敬語とタメ口の使い分けに近い感覚です。親しい相手にはte、目上やあまり親しくない相手にはLeiを使うという区別は、主語人称代名詞の記事で見たLeiと同じ考え方がここでも続きます。
一方、日本語には「強く発音する代名詞」と「軽く発音する代名詞」を単語ごと使い分ける仕組みがありません。日本語で「私」を強調したいときは語順を変えたり「は」「こそ」のような助詞を使ったりしますが、イタリア語では前置詞のあとや対比の場面でmiがmeに、tiがteに変わり、別のつづりになります。lui・lei・Lei・noi・voi・loroは主語人称代名詞と同じつづりのまま強勢形になりますが、io・tuだけは主語形とも弱勢形(mi・ti)とも違う専用のつづりを持つ点も、日本語にない現象です。
弱勢形(mi・ti・gli・leなど)との使い分け
同じ「私を」「彼に」でも、動詞の前に軽く置くか、前置詞のあとや対比で強く置くかで、弱勢形と強勢形のどちらを使うか決まります。
| 使う場面 | 代名詞 | 例 |
|---|---|---|
| 動詞の前に置く、目立たない目的語 | 弱勢形(mi・ti・loなど) | Ti aspetto.(あなたを待っています) |
| 前置詞のあと | 強勢形 | Vengo con te.(あなたと一緒に行きます) |
| 対比・強調 | 強勢形 | A me piace il caffè, a lui no.(私はコーヒーが好きですが、彼は好きではありません) |
例文
各文の下に、単語ごとに「どの強勢形か」と「なぜその形か」を書きます。
- Vengo con te al cinema stasera.(今夜あなたと一緒に映画に行きます)
- te → tuの強勢形。前置詞conのあとに置く。
- Questo regalo è per Lei, signora Rossi.(これはロッシさんへの贈り物です)
- Lei → 敬称の「あなた」の強勢形。前置詞perのあとに置く。タメ口のteとは違い、あまり親しくない相手に使う。
- Cerco te, non lui.(あなたを探しています、彼ではなく)
- te → 対比のために動詞の目的語として置く強勢形。
- lui → 対比のもう一方。主語人称代名詞と同じつづりのまま強勢形になる。
- Secondo me, questo libro è interessante.(私の考えでは、この本は面白いです)
- me → ioの強勢形。secondo(〜によれば)のあとに置く決まった言い方。
- A me piace il caffè, a lui no.(私はコーヒーが好きですが、彼は好きではありません)
- A me → 「間接目的語とpiacere」の記事で見たmiを、対比のために前置詞aと強勢形meに置き換えた形。
- a lui → 同じ対比。luiは主語人称代名詞と同じつづりのまま強勢形になる。
- Anche a noi piace viaggiare.(私たちも旅行が好きです)
- noi → 強勢形はnoiのまま変わらない。ancheのあとに置いて「〜も」を加える。
練習問題
正しいものを選んでください。
- Vengo con ( tu / te / ti )al mercato.(あなたと市場へ行きます)
- Cerco ( tu / te / ti ), non Marco.(あなたを探しています、マルコではなく)
- Secondo ( io / me / mi ), questo film è bello.(私の考えでは、この映画はいいです)
答え
- te(前置詞conのあとには強勢形を置く)
- te(対比のために目的語を強めるときは強勢形を使う)
- me(secondoのあとには強勢形を置く)
参考にした資料
- 級の所属: CILS A2 Sillabo delle strutture morfosintattiche(シエナ外国人大学が実施するイタリア語検定CILSの、A2で出る文法の一覧)「pronomi personali complemento: forme toniche, forme atone lo, la, li, le」。産出(自分で作る)レベルの一覧に載っています(2026-09-21閲覧)
- イタリア語版Wikipedia, Pronome personale in italiano「Pronomi personali complemento」(2026-09-21閲覧)
- 実用イタリア語検定 各級のレベル4級「平易なイタリア語を聴き・話し・読み・書くことができる。自己紹介・簡単な道案内・買い物・バールでの簡単な注文などの平易なコミュニケーションができる能力が要求される」。このページは文法項目を名指ししていません(2026-09-21閲覧)