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敬称の​略し方​(abbreviazioni)

2026-09-27

イタリア語の敬称は、Sig.やDott.のように点(.)を付けて略します。Dott.は医師だけでなく、分野を問わず大学の学位を持つ人全般に使う敬称で、日本語の「ドクター」の感覚とは指す範囲が違います。

敬称の​略し方

名前の前に付ける敬称は、Sig.(男性)、Sig.ra(女性)、Dott.(学位を持つ人)、Prof.(教員)のように略します。

敬称の略し方
イタリア語日本語注記
Sig.〜様・〜さん(男性)Signoreの略
Sig.ra〜様・〜さん(女性)Signoraの略
Sig.na未婚の女性への敬称今はSig.raの方が好まれる
Dott.〜さん(学位を持つ人)男性形
Dott.ssa〜さん(学位を持つ人)女性形
Prof./Prof.ssa〜先生大学・中学・高校の教員

`Dott.`が​指す範囲

Dott.(Dott.ssa)は、医師に限らず、法学・哲学・文学など、どの分野でも大学の学位(laurea)を持つ人に使う敬称です。Accademia della Cruscaは、「dottore」という肩書きは分野を問わず学位を持つ人全般のものだと説明しています。Marco viene chiamato Dott. Bianchi anche se ha una laurea in legge, non in medicina.(マルコは法学の学位を持つ人で、医師ではありませんが、Dott.ビアンキと呼ばれます)のように、専門は文の外で伝えます。医師を指したいときは、dott.かdr.のどちらの略し方も辞書にあり、内科・外科・小児科のような専門を別に添えることがよくあります。

`Sig.na`の​今の​使われ方

Sig.na(お嬢様)は文法としては今も正しい略し方ですが、Accademia della Cruscaの相談(2017年)は、女性を呼ぶときはSig.naよりSig.raの方が今は好ましいと述べていて、実際の使用も減ってきています。既婚か未婚か分からない相手にも、Sig.raを使っておけば失礼になりません。

`ecc.`と​`c/o`

ecc.(〜など)は、ラテン語のつづりに近いetc.より今はよく使われる形です。In frigorifero ci sono latte, uova, formaggio, ecc.(冷蔵庫には牛乳、卵、チーズなどがあります)のように、名詞の並びの最後に置きます。c/o(英語のcare ofから来た形)は、その住所の住人ではない人あての郵便物に、名前のあとに添える印です。Anna abita da Paolo: sulla busta si scrive Anna c/o Paolo.(アンナはパオロの家に住んでいて、封筒にはAnna c/o Paoloと書いています)のように使います。

`ecc.`と`c/o`
イタリア語日本語注記
ecc.〜などetc.より今はよく使われる
c/o〜方(かた)住所の住人でない人あての印

日本語との​違い

日本語の「〜さん」「〜様」は、相手の学歴や職業を区別しません。イタリア語のDott.は、学位を持っていれば分野を問わず使えるので、日本語の「ドクター」や「〜先生」から連想する「医師」のイメージだけで読むと、意味を取り違えます。相手の専門を知りたいときも、日本語では言葉を足して尋ねますが、イタリア語では敬称そのものは専門まで示しません。Sig.naからSig.raへの移り変わりも、既婚・未婚で相手の呼び方を変える発想自体を持たない日本語の「〜さん」とは違う動きです。

練習問題

正しいものを選んでください。

  1. Il( Dott. / Sig. / Prof. )Bianchi ha una laurea in filosofia, non in medicina.
  2. Si scrive「Marco( c/o / ecc. / Prof. )Rossi」sulla busta perché Marco non abita in quella casa.
  3. Oggi, per una donna di cui non si conosce lo stato civile, si preferisce scrivere( Sig.na / Sig.ra / Prof.ssa ).
答え
  1. Dott.(学位があれば分野を問わず使う敬称。医師に限らない)
  2. c/o(その家の住人でない人あての手紙に添える印)
  3. Sig.ra(今はSig.naよりSig.raが好まれる)

参考に​した​資料